奮発して良いお肉を用意し、張り切って作ったすき焼き。
ところが、食べてみると「なんだか物足りない」「やっぱりお店のすき焼きにはかなわないのか」とがっくりした……、そんな経験がある人も少なくないのではないでしょうか。
もしかしたら、これまでのすき焼きは、味を決める割り下に課題があったのかもしれません。次のすき焼きは、我が家史上最高の味を目指して、割り下にこだわってみませんか。
今回は、すき焼きを劇的に美味しくする、割り下のレシピを紹介します。また、風味チェンジや、お肉の美味しさをアップさせるアイデアもまとめました。
「我が家のすき焼きが、やっぱり一番!」、そう家族が口を揃えて言ってくれるすき焼きを実現しましょう。
すき焼きの割り下とは
「割り下(わりした)」とは、味つけされただし汁です。すき焼きのほか、鍋料理や鴨鍋などにも使います。
割り下の調味方法は、料理によってさまざまです。すき焼きでは醤油・みりん・砂糖をベースに、甘じょっぱく仕上げます。使う調味料や配分で微妙な味わいの違いが生まれ、お店ごと・家庭ごとの「こだわりの割り下」につながります。
割り下を「タレ」と呼ぶこともありますね。
失敗知らず!すき焼きの絶品割り下レシピ
あらゆるお肉・具材を美味しくする、すきやきの割り下レシピは次のとおりです。
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砂糖は30~35gのあいだで、好みに合わせて調整してください。甘めの割り下が好きな方には、35gをおすすめします。
割り下は砂糖の計り方に要注意
割り下づくりで注意したいのは、砂糖の計り方です。砂糖は、割り下の甘味を決める重要な要素!絶妙なバランスで入れたいですね。
実は砂糖は、種類によって、嵩(かさ)と重量が異なります。同じ「大さじ1杯」を計ったときの重量を見てみましょう。
- 上白糖 9g
- 三温糖 9g
- 黒糖 9g
- グラニュー糖 13g
- ざらめ 15g
同じ大さじ1杯でも重量に差があるのは、砂糖結晶の大きさが違うことによります。上白糖や三温糖は結晶の粒が小さく、グラニュー糖はやや大きめ、ざらめはさらに大きくなりますよね。
おなじ容積に入ったときの「結晶と結晶のすきま」は、結晶の粒が小さいほど多くなります。すきまが多いために、重量が少なくなるというわけです。
「砂糖 大さじ1」と書かれたレシピで作る際は、使う砂糖の種類によって量を調整しましょう。グラニュー糖やざらめを使う場合は、大さじ(すりきり)1杯より、やや少なくしてみてください。「甘すぎた!」「しょっぱすぎた!」という失敗を防げますよ。
ちょっとアレンジしたすきやきの割り下レシピ
鉄板の割り下レシピを覚えたら、気分に合わせて割り下もアレンジしてみましょう。すき焼きの美味しさをワンランク上げる、割り下のアレンジアイデアを紹介します。
上白糖の代わりにざらめ・はちみつ
「すき焼きを、すっきりした味わいにしたい」と思う日は、割り下に入れる砂糖に一工夫してみませんか。
おすすめは、ざらめやはちみつです。
ざらめは純度の高い砂糖で、上白糖よりあっさりしています。はちみつを使うと、控えめで上品な甘さの割り下に。胃もたれになりにくいため、シニアの方にもおすすめです。
ざらめもはちみつも、少量でしっかりと甘味がでます。使う際は「上白糖の8割程度」を目安にしてください。
昆布だしを追加
割り下に昆布だしを入れてみましょう。味わいに奥深さとまろやかさが加わり、普段と一味違う美味しさになります。
使う昆布だしは、水出し・煮出しのどちらでもOK。手間がない日は、顆粒昆布だしも重宝しますよ。
<昆布だしのつくり方>
◎ 材料
◎ 水出し 容器に水と昆布を入れます。密封して冷蔵庫で3時間~一晩置けば完成! ◎ 煮出し 鍋に水と昆布を入れます。30分ほど置いて馴染ませた後、弱めの中火にかけて、ゆっくり沸騰させます。沸騰直前に昆布を取り出し、冷まして完成! |
にんにく・しょうがを臭み消しに
すり下ろしたにんにくやしょうがを、割り下に少々加えてみましょう。肉の臭みが消え、風味が良くなります。
生のにんにく・しょうがはもちろん、お手軽なチューブ入りでもOK。まずは少量から、試してみてくださいね。
すりおろし玉ねぎを加える
玉ねぎに含まれるタンパク質分解酵素「プロテアーゼ」は、肉を柔らかくしてくれます。割り下に加えれば、いつものお肉の舌触りが格段にアップしますよ。
玉ねぎを割り下に加えるときは、すり下ろしがおすすめです。酵素が玉ねぎから外に出やすくなり、さらに効果を発揮します。
基本のすき焼きのレシピ
割り下ができたら、いよいよすき焼きを作りましょう。すき焼きの基本のレシピを紹介します。
<材料(2人分)>
- 肉(牛肉) 300~350g
- 長ネギ、キノコ、春菊、白菜、ニンジン など好みの野菜
- しらたき
- 焼き豆腐
- 割り下
<手順>
- 野菜や豆腐、しらたきを食べやすい大きさに切る
- すき焼き鍋を中火で熱し、牛脂を溶かして馴染ませる
- 肉をさっと焼き、割り下を回しかける
- そのほかの具材を加えて煮込む。
- 全体に火が通ったら、完成!
ちなみに、すき焼きの肉を最初に焼く作り方は「関西風」と呼ばれます。関西には元来、食材を焼いてから煮込んで食べる文化があり、すき焼きも同じルーツから生まれた食べ方といわれています。
関東地方では肉を最初に焼かず、割り下で煮込む食べ方が一般的です。「関東風」と呼ばれ、肉が柔らかく仕上がる・味がしっかり染み込むと、こちらの食べ方を好む人もいます。
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また、すき焼きに入れる野菜は長ネギやキノコ、春菊、白菜、ニンジンが定番ですが、好みの野菜を入れて構いません。
ほくほくになる長いも、さっぱりとした味わいになるトマト、子どもが喜ぶブロッコリーやナスも、すき焼きに良く合います。試してみてくださいね。
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割り下が余ったら試したいアレンジレシピ
「割り下をつくり過ぎた!」「でも捨てるのは、もったいない」…、そんなときにおすすめの、割り下を使ったレシピを紹介します。
しょうゆと酒、みりん、砂糖をベースにした割り下は、子どもからシニアまで好きな方が多い「照り焼き味」そのもの。さまざまな料理に活躍してくれますよ。
肉じゃが
余った割り下にだし汁を加えれば、肉じゃがにぴったり!すき焼きで余ったお肉やニンジン、しらたきもまとめて消費できます。
鍋で具材を炒め、だし汁を入れてひと煮立ちさせたら、割り下を加えて火が通るまで煮込みましょう。
鶏肉の照り焼き
照り焼き味といえば、鶏肉!余った割り下を使って、鶏肉の照り焼きを作ってはいかがでしょうか。
鶏肉の照り焼きは、皮目をしっかり焼くことが美味しさのポイント。油を敷かず、皮目から焼きはじめましょう。出てきた余分な油は、キッチンペーパーで丁寧に拭き取ります。
皮目がパリパリに焼けたら裏返し、フタをして蒸し焼きに。火が通ったところで割り下を加え、煮からめます。
里いものそぼろ煮
ほくほくの口当たりが優しい、里いものそぼろ煮。まずは、鍋にサラダ油を入れて熱し、ひき肉をほぐしながら炒めます。皮をむいて塩を振り、もみ洗いした里いもを入れて、割り下を加えて煮込みましょう。
里いもに火が通ったら、水溶き片栗粉でとろみをつけて完成です。
そぼろ煮は里芋のほか、大根やかぼちゃでも美味しくできますよ。
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特別な日のすき焼きに!熊本牛のお取り寄せ
お祝いや、人が集まった日、節目など、特別な日。「せっかくつくるすき焼きだから、もっと美味しくしたい」という日には、お取り寄せの最高級牛肉がぴったりです。
国内有数の牛肉産地・熊本県の牛肉はいかがでしょうか。熊本には和牛本来の風味が楽しめる「くまもと あか牛」や、人気上昇中のブランド牛「味彩牛」、そして黒毛和牛と、多様な牛肉が揃っています。
熊本で130年以上、牛肉とともに歩んできた歴史を誇る「加茂川元舗」は、こだわり抜いた牛肉を全国にお届けしています。熟練の専門スタッフが厳選した確かな牛肉、滅多に手に入らない牛肉も取り揃えました。
加茂川元舗は、「熊本のすき焼きなら加茂川」と、全国から客足の絶えないすき焼き専門店も展開しています。その店舗で使う割り下も、お手頃価格でご用意しました。
最高級の熊本牛と、すき焼き専門店の割り下で、次のすき焼きを極上の一品に仕上げてみてはいかがでしょうか。
まとめ
すき焼きの割り下は、しょうゆと酒、みりん、砂糖でつくります。砂糖以外の調味料が1、砂糖がその半分弱と押さえると、覚えやすいでしょう。
何度かつくるうちに、家族の好みの割り下が決まってきます。それが、あなたの家庭の味。記事で紹介したひと工夫も参考に、オリジナルの割り下レシピを見つけてみてくださいね。
余った割り下は、煮物料理や照り焼き料理に大活躍です。また、1回分のすき焼きにちょうど良い量の割り下を用意したいときは、市販のすき焼きのタレを使ってもOK。
肉の名門・加茂川では、最高級の熊本牛と、すき焼き専門店で提供している割り下をセットにした商品もご用意しています。すき焼きに最適な部位を、絶妙な厚みでスライスした熊本の牛は、一度食べたら病みつきになるおいしさ。
次のすき焼きに、ぜひお試しください。