大切な日に食べたいごちそう・すき焼き。せっかく作るなら、具材にもこだわってみませんか。
今回は定番から変わり種、お子さんが喜ぶものまで、すき焼きにおすすめの具材全22選を紹介します。中には「こんなものも入れて良いの?」と驚く具材もあるかもしれません。しかし、気になる具材があれば、ぜひチャレンジしてみてください。
肉のうま味と甘じょっぱい割下で、どのような具材の味も包み込み、美味しく仕上げるのがすき焼きの魅力です。
読むうちに、きっと今夜はすき焼きが食べたくなる今回のコラム。早速、定番具材から始めましょう。
すき焼きといえばこれ!定番具材
まずはすき焼きに欠かせない、定番の具材を紹介します。
肉
すき焼きの主役は、肉!美味しいお肉を用意して、とびっきりのすき焼きに仕上げましょう。
牛肉
すき焼きといえば、牛肉ですね。すき焼きのルーツは、明治時代に日本中に広まった「牛鍋」です。その始まりから牛肉が使われていたすき焼きに、牛肉は欠かせない存在です。
牛肉は、必須アミノ酸やビタミンB群などを豊富に含みます。また摂取した脂がそのまま脂肪になって身体に蓄積されるわけではないため、過剰に脂身を気にしなくても大丈夫です。
良質な牛肉の脂はうま味となり、他の具材の美味しさを引き立てる効果もあります。
すき焼き用の牛肉は、薄切りで脂がたっぷりのったものがおすすめです。煮込んでも固くなりにくく、最後まで美味しく食べられます。
おすすめの部位は、肩ロースやもも、バラ。特別な日や、ちょっと贅沢をしたい日には、霜降りのリブロースを選んでみてはいかがでしょうか。
すき焼き用の牛肉がベストですが、コスパの良い牛コマ肉もOKです。調理する前に塩麹や酒に漬けておきましょう。肉が柔らかくなり、コマ肉とは思えない食感になります。
豚肉
毎日の食事でよく使われる豚肉は、慣れ親しんだ味わいです。牛肉より食べ慣れた豚肉を好む人もいます。「すき焼き=豚肉でつくる豚すき」という地方もあります。
豚肉は牛肉より手頃で扱いやすく、さっぱりとした味わいです。牛肉は脂が強くて苦手だが、豚肉は食べられるという人も多いのではないでしょうか。
濃いめの割下(すきやきを煮るタレ)と、あっさりとヘルシーな豚肉の味は、意外に好マッチングです。
すき焼きに向いた豚肉は、脂身が多く薄切りにされたもの。部位で選ぶなら肩やバラが良いでしょう。じっくり煮込むすき焼きなら、スネ肉も美味しいですよ。
さまざまな部位がミックスされた豚こま切れ肉は細かくカット済みで、お子さんも食べやすいサイズです。脂とうま味、両方楽しめつつ、お財布にも優しく嬉しいお肉です。
鶏肉
鶏肉でつくる「鶏すき」というすき焼きも、ひそかに人気があります。もともと関西で始まったといわれる食文化で、その昔はハレの日に飼育していた鶏を絞め、すき焼きにしてみんなでいただいたのだとか。
日本最古の天満宮といわれる菅原天満宮(奈良県)では、天満宮の秋祭りにあわせて鶏のすき焼きを振る舞ったといわれています。菅原道真の守護神が牛だったため、牛の代わりに鶏を使ったそうです。
鶏すきでは、もも肉やむね肉を使います。食べやすい大きさに切り、しっかり煮込んで味を染ませるのがポイント。レバーや軟骨を入れると、さまざまな食感が味わえる個性的なすき焼きになります。
骨付きの鶏肉を入れると、“ごちそう”感が高まりますよ。
野菜
肉に続いては、すき焼きに定番の野菜を紹介します。
春菊
春菊のほろ苦さは、甘い割下と絶妙にマッチ!春菊が、すき焼きの味わいをパンチあるものにしてくれます。「すき焼きの具材なら、春菊が一番好き」という人もいるのではないでしょうか。
春菊は、すき焼きを食べたくなる冬に旬を迎えます。茶色くなりがちなすき焼きの鍋でいろどりとなるだけでなく、肉の臭み消しや消化促進の効果も期待できます。
長ねぎ
長ねぎも、すき焼きの定番具材です。斜め切りにしたねぎを、たっぷり入れましょう。
ネギも冬に旬を迎えます。煮込む加減によって、シャキシャキ・トロトロと多彩な食感を味わえるのも、ねぎの美味しさ。割下が染み込み、ジューシーさも味わえます。
すき焼きには、すこし太めのねぎが合いますね。別名「殿様ねぎ」と呼ばれる群馬県の下仁田ねぎは、直径4~5センチになるものもあるほどの太さが特徴です。
キノコ類
すき焼きに入れたいキノコといえば、えのき。関西のすき焼きには、特に欠かせない存在です。味が染み込んだえのきは、シャキシャキ食感も楽しめます。
しめじやシイタケ、エリンギ、マイタケもすき焼きに合います。キノコは1年中手に入れやすい食材。栄養価も高く、コスパの良さでも人気があります。
その他
他の具材ほど目立たなくても、美味しさは主役級!その他の具材を2つ、紹介します。
焼豆腐
すき焼きには、崩れにくい焼豆腐が定番!煮込むほどに、割下や他の具材のうま味が染み込みます。アツアツをハフハフと口に入れたときに、ジュワッとしみ出す美味しさが絶品!
豆腐の水分が割下を薄めないよう、キッチンペーパーで軽く水気を取り除いてから入れましょう。
しらたき
すき焼きやおでん、鍋など、冬の食卓としらたきは、相性抜群です。食べやすい長さに切り、すき焼き鍋に入れましょう。
しらたきの臭みが気になる場合は、下ゆでしてから使います。
ちなみに「しらたき」は関東圏の呼び名です。関西では同じものを「糸こんにゃく」と呼びます。
〆具材
肉や野菜をたっぷり楽しんだあとのお楽しみは、〆(しめ)。しめにおすすめの具材を、3つ紹介します。
ごはん
「しめは雑炊」派に支持される具材が、ごはんです。残ったスープにごはんを入れ、馴染ませながら少し煮詰めて、溶き卵を加えましょう。
加えるごはんを洗っておくと、ぬめりが取れて、サラッとした仕上がりになります。
うどん
うどんも、美味しいしめ具材です。残ったスープにうどんを加えて、アツアツをいただきます。
うどんはゆで麺・冷凍麺・乾麺のどれでもOKです。すぐに食べたいときは、ゆで麺を。コシの強いうどんを食べたいときは、冷凍麺や乾麺がおすすめです。乾麺はゆでてから、すき焼き鍋に加えてくださいね。
そうめん
「しめにごはんやうどんは、少し重い」、そんなときはそうめんを試してみてください。にゅうめん感覚で、ツルツルと食べられます。細い麺がスープをたっぷりからめとり、うどんとはまた違う味わいが楽しめます。
昨日ゆでて、余ったそうめんのリメイクにも、おすすめです。
すき焼きの味をランクアップさせる具材も忘れずに
すき焼きに欠かせない、もうひとつの定番食材といえば「卵」でしょう。具材の味をまろやかにし、引き立てる名わき役です。
卵が苦手な方は、豆乳や大根おろし、とろろもおすすめ。割下の甘味に刺激をプラスする、梅肉や七味も試す価値がありますよ。
子どもが喜ぶすき焼きの具材
肉を噛み切れない、春菊やネギが苦手…、小さなお子さんにとって、すき焼きはかならずしも「ごちそう」ではないかもしれません。
そんな家庭でも、家族全員ですき焼きを楽しめたら嬉しいですよね。小さなお子さんも喜ぶすき焼きの具材を、5つ、紹介します。
肉団子・つくね
肉が噛み切れないお子さんに、肉団子はいかがでしょうか。甘い割下がからみ、肉団子のうま味がアップ!ミートボール感覚で食べやすく、お子さんも大喜びです。
加熱済みの肉団子なら、火の通り具合の心配をせずに食べられます。
あっさりした味が好みなら、鶏つくねも試してみてくださいね。
たまねぎ
長ネギは苦手でも、玉ねぎは好きというお子さんもいます。加熱してトロトロになり、割下が染み込んだ玉ねぎは、甘味もうま味も格別です。
くし切りにした玉ねぎを、お子さん用にタップリ入れてあげましょう。
マロニー
マロニーは、じゃがいものでんぷんとコーンスターチを主成分につくられた乾燥麺です。煮込んでも崩れにくく、味も染みやすいと年齢を問わない人気があります。
ツルッとしていながら、噛み切りやすい食感がお子さんにもぴったり。下ゆでせずにそのまますき焼き鍋に入れてください。2分ほどで食べごろになります。
麩
愛知県や岐阜県では、すき焼きに麩を入れる食文化があるそうです。柔らかくジューシーな麩は、お子さん向けのすき焼き具材にも最適です。
麩は、表示時間どおりに水でもどしてから、すき焼き鍋に入れましょう。煮込んでも型崩れしにくい焼き麩や揚げ麩がおすすめです。高野豆腐も、すき焼きによく合います。
ソーセージ・ウインナー
大好きなお子さんも多いのではないでしょうか。ソーセージやウインナーも、意外とすき焼きに合います。
煮込むことで皮はパリッと、割下がからんで甘じょっぱい味わいになります。
手軽に手に入れられるため、「あと一品ほしい」時にも大活躍!大人の方にも試していただきたい美味しさです。
目先を変えたいときに!意外とすき焼きに合う具材
「定番のすき焼きもいいけれど、今日はちょっと気分を変えたい」、そんな時におすすめの具材を紹介します。
肉
牛肉や豚肉、鶏肉以外のお肉なら、次の4種類がおすすめです。
- 鴨
- ラム
- 馬
- 鹿
鴨は、すき焼き具材の1つ・ねぎとの相性が抜群!脂身がじわっと溶けだし、噛むほどに鴨のうま味を味わえます。軽くさっぱりとしているため、ついつい手が伸びてしまうはず。
ラムは子羊の肉です。ラムでつくるすき焼きは、青森県の郷土料理にもあったそうです。いつもの割下にも、洋風の味付けにしたすき焼きにもよく合います。
馬でつくるすき焼き、いわゆる「桜鍋」も大人の味わい。馬肉は歯ごたえがあるため、薄切りを使いましょう。あっさりしつつも白ごはんが欲しくなる味わいです。
鹿肉のすき焼きは、ジビエ専門店で提供されることがあるメニューです。鹿肉は赤身が多く、肉らしいうま味を堪能できます。春菊やネギなど、香味野菜との相性も最高です。
魚介類
関西地方では、昔から魚介類をつかったすき焼きが愛されてきました。「魚すき」といい、サワラやタイ、エビ、イカなどを、野菜や焼豆腐と焼いて食べていたといいます。
目先の変わったすき焼きを食べたい日は、魚介類を試してみませんか。肉の代わりにエビや牡蠣、白身魚を使います。魚介類の淡白な味と、甘い割下がマッチして、ついついお箸が延びること間違いなしのおいしさです。
冬に旬を迎えるブリやタラ、サワラもおすすめです。
根菜類
ほっくりと美味しい根菜、冬にたくさん食べたくなりますよね。すき焼きと根菜類は良く合います。甘い割下の味が染み込み、ほっと落ち着く味です。
すき焼きにおすすめの根菜は、次のとおりです。
- 大根
- 長いも
- レンコン
- ジャガイモ
- ごぼう
- さつまいも
根菜は、下ゆでしてからすき焼き鍋に入れましょう。ピーラーで薄くスライスしたものは、そのまま入れてもOKです。
洋風食材
トマトを加えた、洋風のすき焼きはいかがですか。割下はいつもの味付けで構いません。野菜の代わりに、駆使切りにしたトマトを加えるだけ!真っ赤なトマトがすき焼き鍋の中でひと際存在感を放ちます。
酸味がある、さっぱりしたすき焼きになりますよ。
意外におすすめの組み合わせは「すき焼き×チーズ」!カマンベールチーズやスライスチーズを入れると、溶けたチーズが具材に絡み、コクとうま味がアップします。
しめのごはんにチーズを加えると、リゾット風に仕上がります。
加工品
お肉以外でボリュームを出したいときは、加工品の出番です。厚揚げやかまぼこ、ちくわ、はんぺんなど、冷蔵庫にある「いつもの食材」をすき焼き鍋に入れてみましょう。
厚揚げは焼豆腐の代用にもおすすめ。割下が染み込み、ジュワッとうま味が口中に広がります。
練りものは、お子さんが喜ぶ具材でもあります。割下はしょうゆベースのため、どのような食材とも相性◎。冷蔵庫にある加工品を、いろいろと試してみましょう。
特別な日のすき焼きに「熊本・加茂川元舗のすき焼用牛肉」
「特別な日のごちそう」「みんなが集まったときの、とっておき」、そんな“ハレの日”の食事というイメージがある、すき焼き。せっかくすき焼きを楽しむなら、お肉にもこだわってみませんか。
加茂川元舗は明治14年に創業した、すき焼きの専門店です。牛肉産地として全国に名を馳せる熊本県に根付き、肉質の良い牛肉だけを使ったすき焼きを提供しています。
また精肉店として「本当に美味しく、安心できる良い肉」を、肉の熟練者が厳選し、品質を守り続けています。
そんな加茂川の牛肉でつくるすき焼きは、家庭のすき焼きが専門店の味になると評判です。オンラインショップでは、熊本の大自然で育った最高級の「くまもとあか牛」や黒毛和牛のすき焼き用肉をお取り扱いしています。
ちょっと贅沢したい日のすき焼きに、加茂川元舗のすき焼き肉をぜひお試しください。
まとめ
すき焼きの定番具材は、牛肉と春菊、ねぎ、しらたき…といったところ。しかし、すき焼きは自由度の高いメニューです。地域によって、あるいは家庭によって、入れる具材はさまざまです。
今回リサーチする中では、カニカマやブロッコリー、うずらの卵、キムチ、さらに納豆やミョウガといった具材も見られました。古くから好まれてきた甘じょっぱい醤油味は、どのような食材にもマッチするのでしょう。
ぜひ、ご家庭ならではの具材を探してみてはいかがでしょうか。使うお肉をランクアップするのもおすすめです。良質の脂がすき焼きのうま味を強め、あらゆる具材の美味しさを高めてくれます。