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牛肉の脂身に含まれている栄養とは?健康のために食べるべき量や太りにくい理由も解説

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牛肉の美味しさは脂にあるといっても過言ではありません。霜降りの牛肉はやわらかく、甘みのある脂のうま味を感じられます。しかし、肉の脂は体に悪いというイメージを持っている方も多いはず。牛肉の脂には栄養が詰まっており、ほどよい量を食べれば健康にも役立ちます。

今回は、牛肉の脂身に含まれる栄養について解説します。牛肉は大好きだけれど、健康のために控えているという方はぜひ最後までご覧ください。

牛肉の脂身に含まれる栄養

まずは、牛肉の脂身にどんな栄養が含まれるのか見てみましょう。

  • 牛肉の栄養成分
  • 飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸
  • オレイン酸
  • リノール酸
  • α-リノレン酸
  • アラキドン酸

それぞれの栄養素の特徴について詳しく解説します。

牛肉の栄養成分

まずは牛肉の栄養成分を見てみましょう。

部位(100gあたり) エネルギー(Kcal) たんぱく質(g) 脂(g)質 飽和脂肪酸(g) 一価不飽和脂肪酸(g) 多価不飽和脂肪酸(g) オレイン酸(mg) n-6リノール酸 αーリノレン酸(mg) アラキドン酸(mg)
肩ロース(脂身つき) 380 13.8 37.4 12.19 20.16 1.06 920 45 23
リブロース(脂身つき) 674 4.2 78.0 26.44 41.28 1.93 35000.0 1700.0 99.0 34.0
サーロイン(脂身つき) 460 11.7 47.5 16.29 25.05 1.12 1000 54.0 16.0
もも(脂身つき) 235 19.2 18.7 6.01 9.51 0.54 460 22.0 28.0
ヒレ(赤肉) 207 19.1 15.0 5.79 6.90 0.49 410 18.0 36.0

参考:食品成分データベース

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

引用:J-オイルミルズ

脂肪酸は、脂質の主な構成成分です。脂肪酸は40種類くらいあり、それぞれの割合によって働きや栄養価が異なります。

脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分類。多価不飽和脂肪酸は「n-9系」「n-6系」「n-3系」があり、それぞれの代表的な脂肪酸は以下のとおりです。

  • n-9系:オレイン酸
  • n-6系:リノール酸
  • n-3系:αーリノレン酸

なお、リノール酸とリノレン酸は体内で合成できないため、必須脂肪酸と呼ばれています。

飽和脂肪酸は肉や乳製品に多く含まれており、当然ながら牛肉の脂身にもたくさん含まれています。飽和脂肪酸を取りすぎると動脈硬化といった生活習慣病を引き起こす可能性も。日本人の食生活で飽和脂肪酸が不足することはほとんどないと言われています。

全く摂取しなくていいわけではありませんが、摂りすぎには注意する必要があります。

オレイン酸

オレイン酸は、オリーブオイルや紅花油などに多く含まれる成分で、不飽和脂肪酸の一種です。不飽和脂肪酸はコレステロールを減らす作用があるとされていますが、酸化しやすいという難点が。

しかし、オレイン酸は安定した脂肪酸で酸化しにくい特徴があります。また、ガンを抑制する効果があるとも言われているようです。牛肉の中でも、リブロースの赤身にオレイン酸は多く含まれています。

リノール酸

リノール酸は、n-6系の多価不飽和脂肪酸であり、体内で合成できない必須脂肪酸の一種です。リノール酸は血中コレステロールを下げる効果があるとされています。ただし、HDLコレステロール(善玉コレステロール)も減らしてしまうため、摂りすぎるとコレステロールが増えることに。そのため、n-3系の脂肪酸とバランスよく摂取することが大切です。

α-リノレン酸

α-リノレン酸はn-3系の多価不飽和脂肪酸で、必須脂肪酸です。体内では合成できないため、食品から摂取する必要があります。α-リノレン酸は体内で代謝されてEPAやDHAに変わります。EPAやDHAには、血行を良くする働きがあるため、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞を予防するとされています。血圧を下げる効果も期待できるとのことです。α-リノレンが特に多く含まれるのは、しそ油やえごま油など。

牛肉にも含まれていますが、他の脂肪酸も多いため牛肉のみで補うのはおすすめしません。

アラキドン酸

アラキドン酸は、ビタミンFとも言われる必須脂肪酸のひとつ。肉や魚、卵など動物性の脂肪に多く含まれているのが特徴です。アラキドン酸はホルモンに似た働きをし、血圧や免疫系の機能を調節したり、胎児や乳児の発育にかかわったりします。

ただし、過剰に摂取するとアレルギーや血栓などを引き起こしやすくなります。過剰摂取には気を付けなければなりません。

牛肉の脂身は体に悪い?1日の摂取量の目安

牛肉は、脂身だけでなくたんぱく質も豊富に含まれており、重要なたんぱく質源でもあります。1日に何グラムまでという決まりはありません。

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、たんぱく質の量は成人男性で65g、女性で50gが推奨されています。

そして、脂質は全摂取エネルギーの20%以上、30%未満にすることが推奨されています。また、飽和脂肪酸は7%以下に抑えるのが望ましいとされているため、脂の多い牛肉を食べる際には注意が必要です。

たとえばたんぱく質を基準にすると、牛肉で65gを満たすには、サーロインを600gほど食べなければなりません。しかしそうなると脂質が300g近くなってしまい、体に悪影響を及ぼします。そもそも、たんぱく質や脂質、その他の栄養素は1日3食の中でさまざまな食材から補えるため、牛肉ですべて満たすのは難しいでしょう。

脂の摂りすぎにも気をつけて、さまざまな食品をバランスよく摂取することが大切です。

牛肉の脂身は太る?実は太りにくい理由

牛肉の脂質は体に悪いと思う方もいるかもしれません。しかし、摂りすぎなければ太りにくい脂ともいえます。その理由を2つに分けて解説します。

  1. 肉の脂質は体内で蓄積しにくく消費されやすい
  2. 日本人は脂肪摂取量がそれほど多くない

1つずつ見てみましょう。

1.肉の脂質は体内で蓄積しにくく消費されやすい

肉を食べたら、すぐに脂肪になるわけではありません。脂質にはホルモンを生成する役割があります。また、脂肪は水に溶けにくく腸からすべて吸収するのは難しいとされています。

体内でさまざまな働きをするため、全て脂肪になるわけではなく、体内でも消費されます。そして、吸収されなかったぶんは体外に排出されるのです。万が一肉を食べすぎてしまっても、100%脂肪として蓄積することはないということです。

2.日本人は脂肪摂取量がそれほど多くない

厚生労働省の「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」によると、1日の脂質摂取量は男性で56.4~66.3g、女性で51.3~58.7gが平均とのことです。

脂肪のエネルギーは1gあたり9Kcalであり、60gの脂質であれば540Kcal分に該当します。脂質は全摂取エネルギーの20%以上30%未満が望ましいとされているので、1日に2000Kcalが必要な人であれば、30%には達していません。

さらに、摂取した脂質は体内でも細胞膜やホルモンを作るのに使われるため、実際に脂質として体内に入るぶんはそれほど多くないと考えられます。

もちろんその人の食生活にもよりますが、脂質を過剰に摂取している人はそれほど多くないと言えます。

牛肉には体にいい成分も豊富

牛肉には、脂質以外にも体にいい栄養成分が豊富に含まれています。特に多いのは、以下6つの栄養素です。

  • 必須アミノ酸:牛肉に含まれるたんぱく質の中には、体内で生成できない必須アミノ酸がバランスよく含まれている。良質なたんぱく質かを見分ける数値に「アミノ酸スコア」があり、100に近いほど良質であるとされ、牛肉は100
  • カルニチン:必須アミノ酸のリジンとメチオニンから合成される。脂肪の燃焼を助けると言われている
  • ビタミンB群:ビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)が含まれる。皮膚や髪、爪などの細胞の再生を助けたり、貧血を予防したりするはたらきをする
  • トリプトファン:必須アミノ酸のひとつ。幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」を作る材料となる。セロトニンが不足すると、不眠やイライラなどをもたらすこともある。
  • ヘム鉄:鉄分の中でも特に消化吸収に優れている。疲労感や食欲不振、貧血などを予防する
  • 亜鉛:ホルモンの活性に影響を与える栄養素。脳の機能も活性化させるとして注目されている

 

このように、牛肉には体に良い栄養素もたくさん詰まっています。美味しく食べて健康を目指しましょう。

牛肉の脂身にも栄養が詰まっている!おいしい牛肉なら加茂川元舗

牛肉は脂を楽しめる食べ物とも言えます。もちろん食べ過ぎは体に悪影響を及ぼしますが、適度に食べるなら健康にいい栄養がたくさん摂取できます。また、牛肉の脂がそのまま脂肪になるわけではないため、ダイエット中で敬遠していた方もぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

せっかく食べるなら、品質がよく美味しい牛肉を選ぶのがおすすめです。明治14年創業の老舗「加茂川」では、自然豊かな熊本で育った牛肉をお届けしています。特に熊本県産のあか牛は、広々とした大地でよく運動し、日光をたっぷり浴びた牧草を食べて育てられています。余分な脂肪がないため、脂質の摂りすぎが心配な方にもおすすめ。

健康には、何よりも美味しく食べることが一番です。ぜひお取り寄せして、熊本の美味しい牛肉を味わってみてください。

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参考書籍:これは効く!食べて治す 最新栄養成分事典(主婦の友社)