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肉の健康効果とは?食べるメリットや種類別の栄養を解説

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「肉はカロリーが高いから控えたい」
「高齢になって、肉が食べられなくなってきた」
「肉は健康にどんな影響がある?」

脂が多いイメージのある肉は、なるべく控えようと考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、動物性たんぱく質は体を作る大切な栄養素であり、肉類の摂取が欠かせません。

また、ビタミン類やミネラル類も豊富に含まれており、健康に役立つ食材です。

今回は、肉にどんな健康効果があるのか詳しく解説します。肉を食べるメリットも紹介するので、肉を控えている方や健康効果が気になる方はぜひ最後までご覧ください。

肉の健康効果とは?食べるメリット

肉の健康効果について、栄養素別に解説します。

  • たんぱく質|筋肉を作る
  • 鉄分|貧血を予防・改善する
  • 亜鉛|免疫力を向上させる
  • アミノ酸|血圧上昇を抑制する・うつを予防する
  • ビタミンB1|疲労を回復する

それぞれ詳しく見てみましょう。

たんぱく質|筋肉を作る

たんぱく質は、炭水化物、脂質と並ぶ三大栄養素の1つで、筋肉を作る大切な栄養素です。肉類は、特に動物性たんぱく質の貴重な供給源。大豆に多く含まれる植物性たんぱく質よりも動物性のほうが体に吸収されやすいため、豆腐や納豆のみでたんぱく質を補うのはあまり効率的ではありません。

なお、必要量は代謝量や運動量などによって異なります。特に激しい運動をする方は、たんぱく質を多く摂取する必要があります。また、30歳をすぎると年々筋肉量は衰えるため、意識的にたんぱく質を摂らなければなりません。筋肉量が減ると転倒するリスクが高まり、将来的には寝たきりになる可能性も。

たんぱく質が不足すると体力や免疫力の低下に繋がるため、積極的に肉類を摂取することをおすすめします。

鉄分|貧血を予防・改善する

鉄分は、貧血予防や改善に欠かせない栄養素です。肉類にも鉄分が多く含まれています。鉄は「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類に分けられ、体への吸収率はヘム鉄のほうが非ヘム鉄の何倍も高いとされています。

ヘム鉄は、肉類や魚類などの動物性たんぱく質に多く含まれています。1食分で考えると、肉類のほうが魚類よりも摂取できる鉄分の量が多いです。貧血予防や改善には肉類の摂取が欠かせないと言えます。

亜鉛|免疫力を向上させる

亜鉛は、人間の体内にわずか2g程度と少量ですが、皮膚や骨、肝臓など多くの部位に存在しています。たんぱく質の合成に関わる役割を担っており、新陳代謝を高め、免疫力の維持や向上にも欠かせない栄養素です。

その他、生殖機能の維持にも重要で、精子の形成や女性ホルモンの分泌を活性化させる働きがあります。

亜鉛は特に牛肉や馬肉に多く含まれています。動物性たんぱく質は亜鉛の吸収率を上げる作用があるため、効率よく摂取するなら肉類を積極的に食べるのがおすすめです。

アミノ酸|血圧上昇を抑制する・うつを予防する

アミノ酸は自然界に多数存在していますが、たんぱく質を構成するのはその中の20種類です。中でも「メチオニン」は、血圧上昇を抑える効果があり、「トリプトファン」には精神を安定させる働きがあります。

アミノ酸には、体で合成できない「必須アミノ酸」と、合成できる「非必須アミノ酸」に分けられます。必須アミノ酸は、食事から摂らなければなりません。なお、どれくらいのアミノ酸が含まれているかは「アミノ酸スコア」で表され、100に近いほど良質ということです。

牛肉・豚肉・鶏肉は「アミノ酸スコア100」であるため、アミノ酸を摂取するためには肉類を食べるといいでしょう。

ビタミンB1|疲労を回復する

ビタミンB1は、糖質の代謝をサポートしたり、神経機能を正常に保ったりする働きがあります。ビタミンB1が不足すると糖質の代謝が低下して、エネルギー不足によって疲労やイライラが起こりやすくなってしまいます。

肉類の中でも、特に豚肉にはビタミンB1が多く含まれている食品。ねぎやにら、にんにくなどと一緒に食べることでビタミンB1が体内に長く留まるので、調理の際にはぜひ意識してみてください。

肉の種類別に含まれる栄養をチェック

肉の部位によって、含まれる栄養素は異なります。ここでは、牛肉、豚肉、鶏肉、馬肉に含まれる主な栄養素を紹介します。

肉の部位
(100g)
エネルギー たんぱく質 脂質 亜鉛 ビタミンB1
牛肉ばら(脂身つき) 381Kcal 12.8g 39.4g 1.4mg 2.8mg 0.05mg
牛肉もも(赤身) 130Kcal 21.9g 4.9g 2.7gmg 5.1mg 0.09mg
豚ばら(脂身つき) 366Kcal 14.4g 35.4g 0.6mg 1.8mg 0.51mg
豚肩ロース(赤肉) 146Kcal 19.7g 7.8g 1.1mg 3.2mg 0.72mg
鶏肉もも(皮付き) 234Kcal 17.3g 19.1g 0.9mg 1.7mg 0.07mg
鶏胸肉(皮なし) 105Kcal 23.3g 1.9g 0.3mg 0.7mg 0.1mg
うま肉(赤肉) 102Kcal 20.1g 2.5g 4.3mg 2.8mg 0.1mg

参考:食品成分データベース

同じ肉でも、バラや皮つきは脂質が多く、その分カロリーも高くなっています。脂肪の少ない赤身や馬肉は、特にたんぱく質が豊富に含まれていることがわかります。

肉の食べ過ぎによるカロリーオーバーが気になる方は、なるべく牛・豚の赤身や鶏胸肉、馬肉を食べることを意識するといいでしょう。

肉の種類別の特徴と健康効果

肉の種類別に、多く含まれている栄養素や健康効果について紹介します。

  • 牛肉|鉄や亜鉛が豊富
  • 豚肉|ビタミンB1が豊富
  • 鶏肉|低カロリーでヘルシー
  • 馬肉|高たんぱく・低カロリーで鉄やビタミンも豊富

メニューを選ぶ際の参考にしてみてください。

牛肉|鉄や亜鉛が豊富

牛肉は、特に鉄分や亜鉛が豊富に含まれている食材です。赤身の牛肉ももと豚肩ロースを比較してみると、鉄分は約2.5倍、亜鉛は約1.6倍の含有量です。また、牛肉には脂肪燃焼にも効果的とされる「カルニチン」も多く含まれています。

貧血や免疫の低下、脂肪が気になる方は、牛肉を積極的に食べるのがおすすめです。なお、鉄分の吸収率をアップさせるには、ビタミンCが豊富な緑黄色野菜と組み合わせるのが最適。

ただし牛肉は脂質が多めなので、カロリーが気になる方はバラやロースは控えめにして赤身やヒレ肉を選ぶといいでしょう。

豚肉|ビタミンB1が豊富

豚肉は、牛肉に比べると約8倍のビタミンB1が含まれています。ビタミンB1は糖質や脂質の代謝にかかわるため、疲労回復やストレスの軽減に効果的。

また、不飽和脂肪酸のオレイン酸も多く、悪玉コレステロールの減少も期待できます。その他、皮膚や神経を健康に保つナイアシンも豊富。

栄養をしっかり摂取したいときは、ばらやももよりもヒレ肉を選ぶのがおすすめです。なお、脂肪の多さを部位別に並べると「ばら→ロース→もも→ヒレ」の順番になっています。部位を選ぶ際はぜひ意識してみてください。

鶏肉|低カロリーでヘルシー

鶏肉の中でも、特に脂肪が少ない胸肉やささみは低脂質・低カロリーで高たんぱく質。特に胸肉には、ビタミンAも多く含まれています。ビタミンAは皮膚や粘膜を正常に保ち、目の健康維持に効果的といわれています。

鶏肉は他の肉に比べると消化吸収されやすいとされており、風邪を引いたときや胃腸が弱っているときの栄養補給にもおすすめ。鶏もも肉を使う場合は、皮なしのほうがカロリーを抑えられます。

馬肉|高たんぱく・低カロリーで鉄やビタミンも豊富

馬肉は、脂肪が少なく低カロリーでたんぱく質が豊富です。その他、鉄分や亜鉛、ビタミン類も豊富で、多くの栄養素を摂取するのに理想的な食材です。

また、疲労回復に役立つグリコーゲンも豊富に含まれており、あまり多くの肉が食べられない高齢の方にもおすすめ。グリコーゲンはうまみ成分を引き立てる役割もあり、馬肉ならではのおいしさを味わえます。

意識的に肉を多く取るための工夫

肉に含まれるたんぱく質や鉄分などをしっかり摂取するには、部位の選び方が重要です。脂身の多い部位は、栄養素の含有量が下がります。また、胃もたれしてあまり食べられなかったり、脂肪になりやすかったりする難点も。

肉の栄養を十分に摂取するなら、脂の少ない部位、赤身や胸肉、ささみ、馬肉などを選ぶのがおすすめです。

その他、調理法を工夫するのもいいでしょう。肉は種類や部位によって味も変わります。煮る、焼く、茹でるなどさまざまな調理法とともに、いろいろなメニューを楽しんでみてください。
肉には豊富な健康効果がある!おいしい肉を食べて健康な体をつくろう

肉は、たんぱく質や鉄分、ビタミンなどが多く含まれる食材です。動物性のたんぱく質は植物性のたんぱく質よりも吸収率がいいため、筋肉の維持や免疫力のアップには肉を積極的に食べるのがおすすめです。

しかし、脂肪が多い部分はカロリーが高いため、なるべく脂肪の少ない部位を選ぶといいでしょう。

特におすすめなのは、低カロリーで高たんぱくな馬肉です。ビタミンやミネラルも豊富なので、さまざまな健康効果が期待できます。

明治十四年創業の肉の名門「加茂川元舗」では、熊本産の馬刺しやあか牛、味彩牛などを取り扱っています。安全な飼料と健康管理を徹底した環境で育てた肉は、栄養豊富でおいしさも抜群。ぜひ、健康的でおいしい食事を楽しんでみてください。

参考書籍
「決定版 栄養学の基本がまるごとわかる事典」
「一生役立つ きちんとわかる栄養学」